はじめに
わたしは小1と小3の子どもを育てながら、パート薬剤師として平日だけ働いています。
勤務はクリニックの門前薬局。施設の処方も取り扱う薬局で、在宅の処方箋にも関わる機会があります。
子育てとのバランスを大切にしながら、薬剤師としての仕事にも向き合う。
この働き方にたどりつくまでのこと、そして今、私が大切にしていることを綴ってみようと思います。
働き方を見直したきっかけ
以前は病院薬剤師として働いていました。
夜勤もあり、残業も多く、忙しい日々でしたが、その分、学びや経験もたくさん得られました。
その後、結婚を機に調剤薬局へ転職。
スタッフにも恵まれ、やりがいのある毎日でしたが、やはり残業は当たり前。
薬局が閉まったあとも、21時や22時まで仕事が続くことも珍しくありませんでした。
そんな中で、夫の転職と私の妊娠が重なり、思いきって退職することに。
出産後は専業主婦として子育てに専念するつもりでしたが、
まじめな性格の私は「ちゃんと育てなきゃ」「完璧にやらなきゃ」と、
知らず知らずのうちに自分を追い詰めていってしまいました。
毎日子どもとずっと一緒にいる時間の中で、
「少し離れる時間がほしい」「やっぱり薬剤師として働きたい」
そんな気持ちがわいてきて、パート勤務での復帰を考えるようになりました。
今の働き方と、大切にしていること
勤務は平日のみ。まだ保育園乳児組の段階でしたが、
小学校入学後の生活も見据えて、**ひまわりクラブ(学童)**の要件を事前に確認。
送迎時間も考慮して、勤務時間を調整しました。
学校や習い事の予定も読めなかったため、土日はお休みにしています。
働くうえで、大切にしていることはいくつかあります。
まずは、仕事中は薬剤師として集中すること。
限られた時間でも、できる限りの力を発揮することを意識しています。
一方で、家では仕事のことを引きずらないようにも気をつけています。
…といっても、つい思い出したり気になったりしてしまうこともあるのですが、
「今はママの時間」と意識するだけでも、切り替えが少し楽になります。
また、パート勤務だからこそ、自分で知識を補うことも大切にしています。
勤務時間が限られている分、最新情報や実践的な経験が不足しがち。
だからこそ、本を読んだり、薬の情報を見直したりする時間を少しでも取るようにしています。
そしてもうひとつ。
時間が決まっているからこそ、「どう動けば仕事をやりきれるか」を考えて、計画的に動くこともパート薬剤師ならではの役割だと思っています。
最初からゴールを見据えて行動することで、自分も周囲も気持ちよく働けるようになりました。
さらに、整理整頓や丁寧な作業を心がけ、たとえ仕事が途中になっても「今なにをしていたか」が分かるようにしておくことも意識しています。
限られた時間だからこそ、見える化と共有の工夫が欠かせないと感じています。
働くことで得られていること
子育て中心の生活の中で、社会とのつながりや、
「誰かの役に立てている」と実感できる時間を持てること。
それが、私にとって大きな支えになっています。
患者さんに「ありがとう」「助かりました」と言っていただけたとき。
「説明がわかりやすかった」と声をかけられたとき。
そんな小さな場面が、心にじんわりと残っていきます。
そしてもうひとつ。
自分自身が子育て中だからこそ、リアルな生活に寄り添った説明やアドバイスができるという強みも感じています。
たとえば、小さなお子さんのお薬を前に不安そうなお母さんに、
「うちの子もこうでしたよ」と実体験を交えてお伝えするだけでホッとしてもらえたり、
飲ませ方やタイミングの工夫など、生活に即したアドバイスができたり。
そんなとき、感謝の言葉をいただけることが、私のやりがいにもつながっています。
また、**家事や育児から少し離れて“自分でいられる時間”**があることも、リフレッシュになっています。
「私は私のペースで、役割を果たしてる」
そんなふうに思えることが、ごきげんな毎日につながっています。
おわりに
働き方に正解はないけれど、
「今の私にちょうどいい」を探しながら、
少しずつ形にしていけたらそれでいい、と思っています。
仕事も家庭も、自分のことも。
どれかを犠牲にしすぎずにバランスをとるのは難しいけれど、
自分なりのリズムで歩いていけたら――
そんなふうに思いながら、今日も白衣に着替えています。
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